ヒロイン 完
「許可頂きましたー!」


「おー、やったじゃん」


「明日から一日中、準備出来るから、ちょー楽しみ」


「そーだね」


「頑張ってね、奈緒」


「うん……って、は?」



何言ってんの、この子。



「奈緒はコスプレ喫茶、主催者だから」



へー、いつの間に?



「まー、私も出来るだけ手伝うから、がんばろー」



鬱。


まじ明日から鬱だ。


でも、その前にさらに鬱が来た。


放課後、担任に呼び出しされた。



「神山ー、まさか喧嘩じゃないだろーな」


「まっちゃん、酷い」


「酷いって……お前の顔の方が酷いぞ」


「みっちゃん、女の子に向かって何てこと言うんだ」


「まー、喧嘩じゃないならいいけど」


「そんなんだから32歳にもなって彼女いないんだよ」



ぼそっと言った。


本当に、ぼそっと……。


どうやら、みっちゃんは地獄耳らしい。



「神山、てめー……」


「じゃ、先生と違って私は忙しいんで。さよーならー」


「ちょっと待て」


「まだ何かー?」


「お前、文化祭うちのクラスの主催者なんだって?」


「はー、まぁ……」



不可抗力ですが。



「頼んだぞ」


「お任せをー。失礼しましたー」



やるしかないか。


よーし、計画立てるぞー。
< 45 / 221 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop