ヒロイン 完
「ほのかどうしたの?」



もう文化祭は始まっているのに客の足並みが、まばらだ。


私の予想では結構、お客さん集まると思ったんだけどな。



「奈緒、ヤバイの」


「何が?」


「客が捕られてる」



ん?



「誰に?」


「隣のクラスだよ」



私の疑問に答えてくれたのは意外にも千夏ちゃんだった。



「隣?」



私と余り変わらない身長の彼女に視線を移した。



「隣……恭二がいる」



あー、なるほど。


そー言えば“ホストクラブ”やるって言ってたっけ……。


準備手伝わないの?って聞いたら顔をしかめて「俺は本番に役立つからいーの!」とか言ってたし、しっかり客寄せしてるのか。



「ちょっと敵情視察してくる」


『私も行く!』



何だか、やる気満々の二人を従えて隣のクラスへ向かった。


いざ、突撃!
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