ヒロイン 完
ほーら、言った通りじゃないか。


私は一人、教室の隅のテーブルで、ほくそ笑んでいた。


さっきまでとは違いメイド、浴衣娘、仮装男子が教室内を飛び回っている。


客の足並みも途絶えることがない。


こりゃ、一儲けできそうだな。



「おーい、目が金になってんぞ」


「あ、来たんだ」



両手に飲み物を持った恭二が現れた。



「何考えてた?」



渡されたジュースを有り難く頂く。



「お金」


「やっぱり」



何で溜め息吐くかなー?



「で、お前はサボリか?」


「いーの。私は裏方だから」


「何だそれ」


「みんな楽しいそうでしょ?邪魔しちゃ悪いじゃない」


「お前は楽しくないのか?」


「まさか、ちょー楽しい」



そう言ってクラスのみんなを見ていた私は心の底から笑っていた気がする
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