恋愛一年生さまっ!〜甘〜い、ランドセルと授業中!?〜
「嫌なの……思い出すから……」




彼女は震えていた。



彼は不意に昔の記憶を辿る。
そしてわかったように顔を歪ませて、にっこり笑う。





「だとしても、僕は離さないよ。

もし離したら、勘違いしたちえを一生許さないけど……良いの?」



「………!」



一瞬、彼女の顔が強張る。

でも次には元に戻った。




「………それは、嫌だ……」



その答えと共に、腕を離そうとする行動をやめたことを確認すると。


純はにっこりと笑った。




そしてちえりに聞こえない位の小さな声で呟く。





「………ごめん、ちえり………」



その声は酷く、今にも泣きそうな声だった。



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