恋愛一年生さまっ!〜甘〜い、ランドセルと授業中!?〜
「あ、あぁ……そーゆーことですか。
でしたらどうぞどーぞ!!
この馬鹿ちえりを連れ去って下さいな!」
麻由子の意地悪な声も、あたしの耳に入る。
先輩はそれを聞くと、ホッと胸を撫で下ろして
麻由子様に「借りてくね」と淡々と言い放ち、あたしの腕を引っ張ってく。
「…………あの…」
あたしは先輩に腕を引っ張られながら、頑張って後ろからついてゆく。
「何?ちえりちゃん…」
そう言った先輩の声が、震えているような気がした。
「なんか………先輩。いつもの先輩じゃないみたい……」
あたしは、ゆっくりと感じていることを話す。
先輩は無言のまま。
「…………そっか。」
何歩か廊下を歩いている時、そんなそっけない声が聞こえた。