恋愛一年生さまっ!〜甘〜い、ランドセルと授業中!?〜
麻由子様が目がしらにいっぱいの、今にでも溢れそうなほどの涙を溜めて。



「あんたはそんな気、回さなくたっていーの!」



そういって私の肩をどんどんと叩く。


あの、痛いんですけどもっ!



「……夏は、良い人だから平気よ」



その次に発した言葉がどうも心をひっかくように重く乗っかって、
麻由子様をじっと見つめることしかできない。


「良い人?」



「そうよ、良い人だから」



また麻由子様は笑う。
どこか我慢しているように。


しかも、二回言っているところで怪しい。



「嘘。麻由子、早く相談してよ」



だからついつい麻由子の嫌いな言葉を言ってしまったのだ……
< 60 / 83 >

この作品をシェア

pagetop