恋愛一年生さまっ!〜甘〜い、ランドセルと授業中!?〜
ふっ、と鼻で笑ってから純ちゃんは言う。



「え?」


「取り敢えず、お母さんと話させてよ」


「あ、どぞどぞ」



仏壇の近くを純ちゃんに譲る。
純ちゃんは座り、お線香をつけて
真っ直ぐじっ、と写真を見つめていた。



「……もしかして意識してくれてるの?」


純ちゃんは写真一点を見つめている。

あたしは少し、戸惑ってしまった。



「そんな訳、ないじゃん」



純ちゃんはまだ写真を見続けている。

今、瞳に映っているのは私だった。



………え?



仏壇を見れば、写真の近くに鏡がある。

当たり前のことだった。




「変なちえ」



クスクスとあたしの方を向いて、あいつは笑っていた。


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