桜の花びら舞う頃に
「ウソ……あの、タイガーが……!?」



エリカは驚きを隠せない。

そんなエリカを後目に、悠希はさくらの元へ向かった。



「終わったよ……」



心配そうに見つめていたさくらに笑顔を送る。


「悠希くん、大丈夫?」


さくらは心配そうに悠希をながめる。


「これくらい、平気……」


親指を立て、さくらにポーズをしようとした瞬間━━━




ズキン!




悠希の頬に激しい痛みが走った。

緊張が途切れたためか、先ほどよりも痛みが増した気がする。



「……悠希くん?」

「……やっぱ、ダメかも」



悠希は冗談ぽくそう言った。


「もう、無茶しないでよ~」


あきれた様にさくらは言う。


「でも、ありがとう……」


そう言って、悠希の頬にそっとハンカチを当てた。


「さくらちゃん……」







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