桜の花びら舞う頃に
「お世話になりました!」



警察署の一室から出てきた悠希と玲司。

あれからほどなくして警察が来て、事情聴衆のために任意同行したのだ。


「大丈夫だった?」


先に事情聴衆の終わったさくらと麻紀が駆け寄ってくる。


「大丈夫って……俺たちは何も悪いことはしてないから」

「今回のことは、正当防衛だしね」


そう言って2人は笑った。


「でも、あまり誉められたことじゃないからね」


麻紀は冷静に言う。


「ごめんね……あたしがいけなかったんだよね……」

「いや、さくらちゃんは悪くないよ!」


自分を責めるさくらを擁護する悠希。


「あれは誰でも反論したくなるよ。それに……」


悠希はさくらを見る。


「結果的に手を出したのは俺だから」

「で、でも! 悠希くんはあたしを守ってくれたんだから……」

「いや、手を出した悠希が悪い!」


キッパリ言い放つ玲司。


「あんたが言うか……」


麻紀の言葉に思わず笑う一同だった。












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