桜の花びら舞う頃に
第19話『朝がまたくる』
６畳のフローリングの部屋の一室。


意外とこざっぱりとした玲司の部屋。


悠希はソファーに横になり、ぼんやり天井の模様を眺めていた。


２軒目の居酒屋、狸を後にした４人は、また飲もうと約束を交わし、わずかに白んできた空を背に帰路についた。




しかし、アルコールの入っている悠希は車に乗って帰るわけにもいかず、玲司の部屋で一眠りすることにしたのだ。


玲司も、最初からそうさせるつもりだったようで、部屋にはすでに毛布が用意されていた。

悠希はその毛布を使い、ソファーに横になっているのだ。


玲司も、傍らにある自分のベッドで横になっている。

おそらく、もう夢の中であろう。


悠希も、眠りにつこうと寝返りをうった。




「痛っ！」




その瞬間、悠希の頬に痛みが走る。


それは、タイガーに殴られた箇所だった。


横になって緊張がゆるんだせいか、今頃になってズキズキと痛み出した。







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