桜の花びら舞う頃に
第22話『悲しい螺旋』
5時間目終了を告げるチャイムが鳴り響き、拓海の初めての授業参観は幕を閉じた。
初めてにしては、かなり上手に発表できたと思う。
しかし、悠希にはそ、の余韻にひたる余裕はなかった。
「ママと一緒に……」
拓海の言葉が頭を巡る。
胸が苦しい━━━
悠希は、さくらが視線を送っていたことにすら、気付くことが出来なかった。
「パパっ!」
そんな悠希の元に、拓海が笑顔で駆け寄ってきた。
「た~……」
「パパ、どうだった?」
一瞬、由梨のことを聞かれたのかと思いドキッとしたが、すぐにそうではないことに気付いた。
「あ、ああ、上手な発表だったよ」
「本当に?」
「ああ、パパも動物園に行きたくなったよ」
その言葉に、体中で喜びを表現する拓海。
悠希は、思わず拓海の頭をなでていた。
「た~、パパはこの後、PTA総会と学級懇談会があるんだけど……」
「うん、僕、図書室で待ってる」
どうやら、保護者と一緒に帰る子は、先生から図書室で待っているようにと言われているようだった。
「うん、じゃ、一緒に帰ろうな」
「うん!」
拓海は元気に返事をした。
初めてにしては、かなり上手に発表できたと思う。
しかし、悠希にはそ、の余韻にひたる余裕はなかった。
「ママと一緒に……」
拓海の言葉が頭を巡る。
胸が苦しい━━━
悠希は、さくらが視線を送っていたことにすら、気付くことが出来なかった。
「パパっ!」
そんな悠希の元に、拓海が笑顔で駆け寄ってきた。
「た~……」
「パパ、どうだった?」
一瞬、由梨のことを聞かれたのかと思いドキッとしたが、すぐにそうではないことに気付いた。
「あ、ああ、上手な発表だったよ」
「本当に?」
「ああ、パパも動物園に行きたくなったよ」
その言葉に、体中で喜びを表現する拓海。
悠希は、思わず拓海の頭をなでていた。
「た~、パパはこの後、PTA総会と学級懇談会があるんだけど……」
「うん、僕、図書室で待ってる」
どうやら、保護者と一緒に帰る子は、先生から図書室で待っているようにと言われているようだった。
「うん、じゃ、一緒に帰ろうな」
「うん!」
拓海は元気に返事をした。