桜の花びら舞う頃に
「パパと一緒ぉ~、嬉しぃ~なぁ~♪」



言葉をメロディーに乗せ、拓海は跳ねるように歩いていく。

その姿を、後ろから眺め歩く悠希。

夕陽に照らし出される拓海の姿は、何よりも輝いてみえた。



「ねぇ、パパ!」



拓海は、不意に振り返る。


「ん? どうした?」

「僕、オナカすいちゃった」


両手で腹を押さえる拓海。

その瞬間『く~』と可愛らしい音を立てて、拓海の腹が大きく鳴った。


「あははははっ!」


思わず笑う悠希。


「へへへへっ!」


拓海も鼻をこすりながら笑う。

悠希は、拓海の頭をくしゃっとなでた。


「よしっ、ラーメンでも食べて帰るか!」

「うん!」


そして2人は手をつなぎ、再び車へと歩き出した。









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