桜の花びら舞う頃に
「……1年2組、月島拓海くん!」



「はいっっっ!!」




突然の大きな声に、反射的に背筋を伸ばし返事をする拓海。


「あ……」


その声が、目の前で腹を抱えて笑う悠希のものだと気付くと、拓海は顔を真っ赤にし、頬を膨らませた。


「あはははは、ごめんごめん!」


笑いながらも、懸命に謝る悠希。


「帰りにお菓子買ってあげるから」

「ホント!?」


その言葉を聞いた途端、表情が一変する。

キラキラとした目で、悠希を見つめてくる。


「ああ、本当。夕飯の準備もあるし、スーパー寄って帰ろう」

「うん!」


言うが早いか、拓海は悠希の手を取り歩き出した。








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