桜の花びら舞う頃に
悠希は、肉にある程度火が通ったことを確認すると、一度鍋から取り出し野菜を入れた。

そして、そのまま野菜を炒める。

肉を取り出したのは、火が通り過ぎて固くなることを防ぐためだ。



「うん、これくらいでOKかな」



野菜に軽く火が通ったことを確認したさくら。

油で炒めておくことで、煮込んだ時にその形が崩れるのを防ぐことができるのだ。

そして、鍋に水が張られる。

その水が沸騰し、野菜が少し煮込まれた頃、先ほどの骨付き鶏肉が再び鍋の中に入れられた。

グツグツと煮込まれる具材たち。

時々出るアクを取りながら、さくらは思わず『ふふっ』と笑った。


「どうしたの?」


上機嫌なさくらの様子に、悠希が声をかける。


「……こうして一緒にカレー作ってると……なんだか合宿してるみたいじゃない?」

「あ~、確かに……」


その言葉に、2人は顔を見合わせて笑った。








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