桜の花びら舞う頃に

さくらは、続いて後ろの保護者たちに視線を移した。


「本日は、おめでとうございます。１年間、お子様をお預かりさせていただく、綾瀬さくらです」


そして、深々と頭を下げる。


「心配事などありましたら、いつでもおっしゃってください。一生懸命頑張りますので、これからよろしくお願いします！」


顔を上げ、優しく微笑むさくら。

保護者、そして子供たちを見つめるその目は、真剣そのものだ。



（こちらこそ……よろしく……）



教室内に響き渡る拍手の音。

悠希は、そのさくらの姿に心からの拍手を送っていた。


そして、それは、いつしか保護者たちの間にも広がっていく。



１年２組の教室は、大いなる温かさと、大きな拍手に包まれるのであった。