桜の花びら舞う頃に
「ただいま~!」



「━━━っ!!」




ガチャッと、扉を開けて帰ってきた玲司。

手には、フレアの弁当を入れた紙袋を下げている。


満面の笑みで入ってきた玲司だったが、抱き合う2人の姿にその笑顔は凍り付いた。



「ご……ごめん! 2人がそんな仲だなんて……」


「ち、違う! こ、これは違うから!」



あわてて、麻紀はさくらから離れる。


「ほ、ほら、あんたからも何か言ってよ!」


さくらに助けを求める麻紀。

さくらは、頬に両手を当てて言う。



「麻紀ちゃんてば……大胆だった……」


「やっぱり……」


「違うって!!」



必死に弁解する麻紀に、笑う2人。


麻紀は、はあ~っとため息をつくと、額に手を当て、天を仰ぎ見た。






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