桜の花びら舞う頃に
「うぁー、疲れたー!」



1人、部屋で大の字に転がる悠希。

あの後は、香澄とエリカの2人をなだめ、なんとか自分のアパートに帰ってきた。


「2人が、あんなに仲が悪いとは……」


思ったことを、ズバズバ言うタイプの2人。

そんな2人が出会えば、ぶつかり合うのは必至だった。


そして、それを止めようと奮闘した悠希は、体力的にも精神的にも疲労しきってしまった。


「……少し早いけど、今日はもう寝るかな……」


そう言いながら起き上がると、ふらふらと歩き出す。


向かうは、拓海の眠る寝室だ。

時計の針は、まだ午後9時半を過ぎたところ。

こんな時刻に寝るのは、久しぶりのことだった。






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