桜の花びら舞う頃に
「うおっ、凄い量の唐揚げ!」


ダイニングに通された玲司は、テーブルの上の大皿に盛られた唐揚げに驚きの声を上げた。


「僕が、お手伝いしたんだよー!」

「良かったら食べて。結構、美味いぞ」

「じゃあ、遠慮なく」


そう言うと、玲司は唐揚げをつまむ。


「あ……ホントだ! 美味いわ、コレ……」

「やったー!」


拓海は、また小躍りして喜んだ。


「これは、美味いな。いくらでも、食べられそうだ……」

「そうか……」


その様子に、悠希はため息をつきながら苦笑いを浮かべた。



「何だったら、毎日、食べに来てくれていいぞ……」


「……悠希?」



悠希は、少し遠い目をして冷蔵庫を見た。





あの、唐揚げが溢れかえっている冷蔵庫を……








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