桜の花びら舞う頃に
パワー全開で走り回る拓海。


それに付き合う4人。





こうして、あっという間に3時間が過ぎて行った。





「はぁ、はぁ……子供のパワーって……」


「あ、ああ……凄いんだな……」




玲司と麻紀には、かなり疲労の色が見える。

よろける様にベンチにたどり着くと、ドサッと体を預けた。



「お疲れ様~」


「ありがとうな!」



そんな2人に、さくらと悠希は労いの言葉をかける。


「いや……しかし……悠希もそうだけど……」


「うん……さくらも、よく毎日このパワーの相手をしてるよね……」


平然としている2人に、関心する玲司と麻紀。


「あはは、まあね」


「へへへ~、慣れてるからね」


悠希とさくらは、そう言って笑った。



「ほら、みんなー! 次行こうよー!」



後ろを振り返った拓海が、遠くで手招きしてるのが見える。


「早く、おいでよー!」


両手を口に当て、メガホンのようにして呼ぶ拓海。


「ちょ、ちょっと待ったー! 少し休憩にしようよー!」


「え~? 休憩~?」


玲司の声に、不服そうな声を上げ、拓海が近づいてくる。


「そう言うなよ……腹、減らないか?」


「オナカ~? 別に……」


拓海がそう言いかけた瞬間━━━





く~~~っ!





拓海の腹が、可愛らしく鳴った。


しばしの沈黙の後、5人の間に爆笑の渦が巻き起こる。



「決まりだな」



悠希は、笑いながら言った。









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