桜の花びら舞う頃に
お化け屋敷のゲートをくぐった5人。


吸血鬼の服装に身を包んだスタッフに案内され、駅のホームのような所に立っていた。


ここは自分で歩いていくのではなく、乗り物で自動的にコースを進んでいくというシステムだった。



「あ、来たよ!」



麻紀が嬉しそうな声を上げる。

5人の前に、4人乗りの古びたトロッコのような乗り物が姿を現した。


「じゃ、お先に~」


麻紀は悠希、さくら、拓海の3人に笑顔で手を振る。


最初のトロッコには、玲司と麻紀。


次のトロッコには悠希と拓海、そしてさくらの3人で乗るという組み合わせになっていた。


「お前……怖くないの?」


嬉しそうに乗り込む麻紀に、玲司はそう尋ねる。


「何で?」

「何でって……」


明るく答える麻紀に、玲司はガックリとうなだれた。



2人を乗せたトロッコは、ゆっくりと暗闇の中に進んで行った。







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