桜の花びら舞う頃に
何も見えない闇の中を進むトロッコ。



しかし、不意に薄明かりがつき……



そこに、日本の墓場が浮かび上がった。




「……!」




そこからボロボロの鎧武者が現れ、トロッコに向かって切りかかる。




「━━━!!」




しかし、トロッコは直前で曲がり、鎧武者の刀は空を切った。





(うわ……ここのお化け屋敷は、なかなか迫力あるな……)





悠希は、自分の腕に鳥肌が立っていることを感じていた。




前例と後列とがあるトロッコの席。



「僕、1人で前に乗るー!!」



拓海のその言葉を受け、前例に拓海、後列に悠希とさくらで座っている。


ここのアトラクションは、後列にいても恐怖や迫力はかなりのものだった。




(2人とも大丈夫かな……?)




そう思った瞬間、




(……ん?)




悠希は、袖をつままれたような感覚を受けた。



視線を落とす悠希。



袖をつかむ手。



それは、そっと伸ばされたさくらの手だった。





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