桜の花びら舞う頃に
そして、アトラクションは終わりを迎えた。


外の明かりが漏れている出口の方へと、トロッコは進んでいく。



「悠希くん……ありがとう」



さくらは、悠希を見つめて言う。



「あたし……悠希くんのおかげで心強かった……」


「いや……」



悠希は、首を左右に振る。

そして、真剣な表情でさくらを見つめた。




「実は……俺も怖かったんだ」




訪れる沈黙。




見つめ合う2人。


「何それ~!」


思わず、吹き出すさくら。


「あはは、仕方ないだろ~!」


悠希も、一緒に笑っていた。






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