桜の花びら舞う頃に
「じゃあさ、その想いを悠希くんに伝えちゃいなよ!」



「え゛っ!?」




そう言われるとは、思っていなかったさくら。

思わずたじろいだ声が出る。



「アンタたちに任せといたら、何年かかっても進行しそうにないからねぇ」



麻紀は笑う。



「ほらっ、早く!」

「う……うん」



麻紀に促され、さくらは携帯電話を取り出した。


「ちゃんと、頑張るってことを伝えるんだよ?」

「う……うん、わかってる……」


さくらは震える指で、悠希に電話をかける。






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