桜の花びら舞う頃に
「ゆ、悠希くん!」




『うん?』




「あたし……」




『うん』




「あたし、負けないからねーっ!!」





自分の気持ちを一気に伝えたさくらは、そのまま力強く電話を切った。



「さくらっ!」


「ま……麻紀ちゃん……」



気が抜けたのか、さくらはその場に『へなへな』と座り込む。


「麻紀ちゃん……あたし、言えたよ……」

「うん、うん!」


麻紀は、思わずさくらを抱きしめていた。


「頑張ったね、さくら!」

「あたしの気持ち、伝わったかな……?」

「伝わった! きっと伝わったよ!」


さくらは、疲労感でいっぱいだった。




しかしそれは、心地の良い疲労感だった……






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