桜の花びら舞う頃に
由梨……



玲司は、相変わらずだよ……



高校のときから、何も変わらない……




……あ!




でもな、最近アイツに彼女が出来たんだ。



玲司には、もったいないくらいのいい子なんだよ。






悠希は、クスッと笑った。






うん……新しい知り合いも増えた。



この前は、みんなで遊園地に行ったりもしたんだ。




そうそう、た~の担任の先生なんだけど……



それが、由梨にそっくりで……








「あれ~っ!?」







(えっ!?)







不意に響いてきた女性の声に、悠希の意識は現実へと戻される。





(この声は……)





「こんな所で会うなんてー!」





声の主は、嬉しそうに走り寄ってくる。



隣りの拓海は、悠希の服の裾をキュッとつかんだ。


悠希は深く息を吸い込むと、拓海のその手を握り、ゆっくり振り返った。




「やあ……」




そこには、満面に笑みをたたえた女性がいた。





悠希は、静かに言う。






「こんにちは……エリカちゃん……」








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