桜の花びら舞う頃に
「……しかし、エリカ」



最後に手を合わせた玲司は、その後エリカに視線を向けた。


「お前は相変わらずだな……その格好で墓参りかよ……」

「まあね!」


エリカは胸を張る。

胸が弾んで、タイトなワンピースからこぼれそうになる。



「これが、アタシのスタイルだから」



高らかに笑うエリカ。

そんなエリカに、さくらは恐る恐る尋ねた。


「まさか……今日も悠希くんを追いかけて……?」


しかし、その言葉には首を横に振る。



「……今日は、本当に偶然。アタシは……おじいちゃんのお墓参りに来たんだ」


「おじいちゃん?」



一同は、思わず聞き返した。



「うん、ほらっ」



そう言って、エリカが指差す先。

月島家の墓石の、3軒右隣り。

そこには、黒く光り輝く墓石に




大崎家之墓




と、刻まれていた。



「大崎家?」


「そんな名字だったんだ……」


「大崎って……どこかで聞いたような……」


「……あ、今朝のテレビで特集してた、大崎グループの会長や社長と同じ名字だ!」


「あ~、そう言えば……」


「まさか……」



6人は、ゆっくりとエリカを見る。


エリカは、にっこり微笑んだ。





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