桜の花びら舞う頃に
皆と一緒に笑顔を浮かべていた悠希。


その顔は、次第に真面目な表情へと変わっていく。



「みんな……」



悠希は、静かに口を開いた。



「今日は、来てくれて本当にありがとう」



そして、チラリと後方にある由梨の墓石に目を向ける。



「アイツも……きっと喜んでいるよ」


「……バ~カ! 何を今更、改まってんだよ」



しんみりとしそうな空気を吹き飛ばすように、玲司は笑いながら背中を叩いた。


「そうよ、月島くん。気にしないで」


そう言って、香澄も笑う。

さくらたちも、大きくうなずく。


「うん……でも、この場でちゃんと言っておきたかったんだ……」


そして、悠希は皆に視線を戻した。



「だから……本当にありがとう」



そう言って、頭を下げる。





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