桜の花びら舞う頃に
長めにタイマーを設定したため、シャッターが落ちるまでにはまだ時間的余裕があった。






その時━━━






「アタシ、やっぱり悠希の隣りがいいっ!」



エリカはそう叫ぶと、香澄を押しのけ前に出ようとする。



「ちょ、ちょっと待ちなさいよ! 話が違うじゃない!」



そうはさせまいと、体を張って阻止する香澄。



「ちょ、ちょっと、どきなさいよ!」

「何言ってるのよ! そっちこそ、戻りなさいよ!」




(また、始まった……)




その様子を、さくらは余裕を持って見つめていた。




(ふふん、あたしは、こういうことしちゃうもんね~)




さくらは、拓海を抱きしめつつ、その体を悠希にすり寄せた。



「あーっ! ちょっとーっ!」


「そこー、月島くんに近寄り過ぎー!!」



しかし、2人にはあっさりバレてしまうのだった。







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