桜の花びら舞う頃に
「それよりも、早く麻紀ちゃんのアパートに行こう!」

「それよりもって、お前……」


玲司の悲しげなつぶやきを無視して、悠希はハンドルを握り直す。

そして、アクセルを踏み込もうとした。






━━━その時。






~~~♪






悠希の携帯電話が、アニメソングで着信を知らせる。


「この歌は……」

「悠希……?」


悠希はうなずくと、素早い動作で車を道路脇に止める。

そして、アニメソングを歌い上げている携帯電話をつかみあげた。




「はい、もしもし……」










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