桜の花びら舞う頃に
「━━━ねぇ、悠希」
向日葵の花を背に、由梨は足を止める。
「どうした?」
「向日葵って……素敵だと思わない?」
悠希は、向日葵の花を眺めた。
「ああ、そうだな……見ていて元気になる」
その言葉に、由梨は優しい笑みを見せた。
「向日葵はね、太陽の花って言われてるのよ」
「太陽の花か……」
黄色の花びらを大きく広げた向日葵。
その様子は、太陽の花の名に相応しく生命力に満ち溢れていた。