桜の花びら舞う頃に
シャワーを浴び終わり風呂場から出ると、もうすでに拓海は起きていた。


「パパ、パパ!」


朝から元気な拓海。


「おはよう、た~」

「おはよ、パパ! 僕、なんでパパの部屋で寝てたの?」

「お、お前、覚えてないの!?」


愕然とする悠希。



(夕べの苦労はなんだったのか……)



きょとんとした表情の拓海に、悠希は言う。


「おねしょしたこと、覚えてない?」

「えっ?」


拓海は驚きの表情で、シャワーあがりの悠希を見つめた。


「夕べ、おねしょしたんだよ」

「そうなんだ……」


いつになく神妙な顔でうつむく拓海。



(反省してるみたいだし……あまり強く怒るのも可哀想かな……)


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