桜の花びら舞う頃に
「せ~の!」


「ふ~~~っ!!」



2つのケーキに立てられた、合計7本のロウソク。

その火を、拓海は一気に吹き消した。

最後の一本が消えた時、一斉に拍手が巻き起こる。



「おめでとう!」


「おめでとう、た~君!」



口々に寄せられる祝いの言葉に、拓海は恥ずかしそうに嬉しがった。







そしてケーキは、それぞれ7当分に切り分けられた。

2つとも食べてみたい! という意見が多かったからだ。


玲司は小皿を14枚用意する。


「お皿、そんなに使うの?」

「一枚のお皿に乗せればいいのに」


しかし、玲司は人差し指を立て、それを顔の前で左右に振った。


「ダメだなぁ。それじゃ、味が混ざっちゃうじゃん」

「え?」

「本当は、フォークだって2つ用意したいくらいだよ。そもそも、ケーキというのは……」


そう言って、語り出す玲司。


「ね……ねぇ、麻紀ちゃん」

「……ん?」

「玲司くんって……あんなにケーキにうるさかったの……?」

「私も……初めて知ったよ……」


意外なる、玲司の一面だった……








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