桜の花びら舞う頃に

「あたしは……」




「ん?」




「あたしは、悠希くんのことが好き!」




言い放つさくら。


「ちょっと、さくら……」


麻紀は、あわてたようにさくらを見た。

しかし、さくらは止まらない。



「キスだってしたんだから!」


「キ、キス!?」



驚きの声を上げる香澄。


「そ……そんな……」


崩れ落ちるように、両膝をつくエリカ。


「どんなもんだー!」


さくらは片手を腰、片手を口に当てて、高らかに笑うのだった。








(……な~んて出来たら、楽なんだけどな)




うつむいたまま、さくらはため息をつく。


その様子に、勝ち誇ったように鼻を鳴らすエリカだった。





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