桜の花びら舞う頃に
「あ~、今日も楽しかった!」



コンビニに向かうエリカは、上機嫌だった。



「もっと、もっと、悠希にアピールしていかなくちゃ」



両拳を握り締めるエリカ。






~~~♪






その時、エリカの携帯が賑やかなメロディーで着信を奏でた。



「……ったく、タイガーは、少しくらい黙って待ってなさいよ!」



エリカは悪態をつきながら、ヒョウ柄のハンドバッグから携帯を取り出す。




「まったく……」






しかし━━━






携帯電話のディスプレイを見たエリカは、急に真顔になる。




「な……なんで……?」




エリカはつぶやくと、震える手で受話ボタンを押した。





「はい、エリカです……お兄ちゃん」









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