桜の花びら舞う頃に
~~~♪





悠希は、着信を知らせ続ける携帯電話を見つめた。


そして、深呼吸をして、覚悟を決める。



「……はい、もしもし」


『もしもし、ゆ~う~き♪』



電話の相手は、エリカだった。


この前、家に来た……

いや、来られた時に、何かあるかもしれないからと、半ば無理やりに電話番号とメールアドレスを交換させられたのだった。



「……で、今日はどうしたの?」


『う、うん……今から……会えないかな?』



悠希の質問に、明らかにエリカの雰囲気が変わる。



『大切な話が……あるんだ』



いつものエリカとは違う真剣さが、そこにはあった。


「い、今から?」

『お願い! 時間は取らせないから』

「う、うん……まぁ……少しだったら大丈夫だけど……」


その雰囲気に気圧されるように、悠希は了承する。


『悠希は、どこにいるの?』

「東櫻医大病院の駐車場……」

『わかった! じゃあ、今から行くから待ってて!』


そう言うと、電話はあわただしく切れた。


悠希はため息をつくと、愛車の中でエリカを待つことにした。










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