桜の花びら舞う頃に
「な……なんだ?」



逆に一歩、後ずさりをする悠希。


しかし、エリカは気にしない。



「アタシは、悠希が好き!」


「う、うん……前に聞いた」


「今までは、アタシが一方的に言ってきたけど……今日は、悠希の気持ちも聞かせてほしい!」



エリカは、真っ直ぐに悠希を見つめる。



「お……俺の気持ち?」



ゴクリと音を立てて、唾を飲む悠希。


「ちゃんと言って! そうすれば、アタシは覚悟を決められる!」






━━━そう


アタシは、大崎の家を出て


悠希と、これから生きていく


その覚悟を、アタシにさせてほしい!






「早く! アタシは、悠希の言葉で強くなれるんだから!」


「……わかった」


悠希は、姿勢を正す。


そして、ゆっくり口を開いた。




「……俺には……好きな人がいる」








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