桜の花びら舞う頃に
それから3週間後の日曜日……





悠希の携帯電話に、玲司からの着信があった。



『もしもし、悠希!』


「よう玲司! 今からた~と、さくらちゃんと一緒にお前の家に向かうよ」


『いや、それよりテレビを付けてみろって!』


「え? テレビ?」



玲司に促されるがまま、テレビを付ける。





その瞬間━━━





「あっ!!」




3人は、驚きの声を上げた。



そこには、エリカが映っていたのだ。



大崎グループの社長と並ぶエリカは、いつものようなワンピース姿ではない。

上品なドレスに、その身を包んでいる。


「なにこれ……?」

「婚約会見って、テロップが出てる……」

『とにかく、うちに来るのはこれを見てからでいいぞ』


そう言って、玲司は電話を切る。


「婚約って……この前言ってたやつか……?」


食い入るように見つめる3人。

テレビの中のエリカは、ほとんど声を出すことなく、ただ微笑んでいる。

質問に答えるのは、全て兄の龍一だった。


「こうして見ると、別人みたいよね……」


苦笑するさくら。


「確かに……」


悠希がうなずいたその時━━━





~~~♪





悠希の携帯電話が、メールの受信を告げる。



「……あ!」



ディスプレイを見た悠希は、思わず声を上げた。









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