桜の花びら舞う頃に
「だ……大丈夫だよ!」



麻紀は、不安という名の暗雲を吹き飛ばすように、無理やりに明るい声を出した。



「悠希くんなら大丈夫! 悠希くんは、そんな人じゃないって!」



しかし、いくら麻紀が明るく励ましても、さくらの顔が晴れることはなかった。



「ダメだよ、麻紀ちゃん……涼ちゃんの時のこと、思い出しちゃって……」



さくらは、震える手で自分の両肩を抱くと、おびえた瞳で麻紀を見た。



「麻紀ちゃん……あたし、やっぱりちゃんと聞きたい……」


「さくら……」


「好きって言葉……ちゃんと、悠希くんの言葉で聞きたいから……」











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