桜の花びら舞う頃に
去っていくさくらを見つめる視線。


それは、悠希の他にもう1つあった。



「……た~ちゃん、ちょっとパパのところで待っててね」



香澄はそう言うと、遊歩道で立ち尽くす悠希を指差す。



「うん!」



拓海は、元気に返事をすると、真っ直ぐ悠希の元に走り出した。



それを見届けた香澄は、2人に背を向けて走り出すのだった。










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