桜の花びら舞う頃に
第48話『届けたい想い』
ガタガタン!
騒々しい音を立てて、自動販売機から缶コーヒーが落ちてくる。
悠希は、それを拾い上げると、廊下の椅子に腰を下ろした。
飲み口を開け、ゆっくりと口に運ぶ。
口いっぱいに、深い苦味が広がっていく。
「……ふう」
モミノキ薬品の廊下に、悠希のため息が響いた。
緑地公園での出来事から10日が過ぎた。
あの日以来、さくらとは連絡を取っていない。
何度か電話やメールをしようとは思ったのだが……
いつも気まずさが先に立って、途中で止めてしまう。
さくらからも連絡がないところをみると、おそらく向こうもそう思っているのだろう。
「でも、このままじゃ……」
悠希は、携帯電話を取り出すと、メール作成画面を呼び出した。
騒々しい音を立てて、自動販売機から缶コーヒーが落ちてくる。
悠希は、それを拾い上げると、廊下の椅子に腰を下ろした。
飲み口を開け、ゆっくりと口に運ぶ。
口いっぱいに、深い苦味が広がっていく。
「……ふう」
モミノキ薬品の廊下に、悠希のため息が響いた。
緑地公園での出来事から10日が過ぎた。
あの日以来、さくらとは連絡を取っていない。
何度か電話やメールをしようとは思ったのだが……
いつも気まずさが先に立って、途中で止めてしまう。
さくらからも連絡がないところをみると、おそらく向こうもそう思っているのだろう。
「でも、このままじゃ……」
悠希は、携帯電話を取り出すと、メール作成画面を呼び出した。