桜の花びら舞う頃に
「あたしも、悠希くんが大好き!」





さくらは、悠希の胸に飛び込んだ。

その顔に、満面の笑みを浮かべて。





「さくらちゃん……もう、離さない……」


「あたしも……離れない!」





2人は強く抱き合う。


お互いの温もりや感触を、その身体に刻み込むかのように。


強く、強く……




「さくらちゃん……」


「悠希くん……」




そして、2人は見つめ合う。






どちらからともなく瞳を閉じた。






お互いの唇と唇が近付き━━━







そして重なる。







(さよなら……17歳のあたし……)







さくらの瞳から、一筋の涙がこぼれ落ちた。







(あのときの悲しみに……さよなら……)







2人は、いつまでも唇を重ね合わせていた……











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