桜の花びら舞う頃に
新幹線の切符を買った悠希は、ホームに立っていた。


新幹線が到着するまで、まだ少し時間がある。



「そうだ……今日のこと、玲司たちに報告しなくちゃな」



悠希は、つぶやきながら携帯電話を取り出し、電話をかける。





トゥルルルル……





1回目の呼び出し音が切れる前に、玲司は電話に出た。



『━━━もしもし、悠希か!?』


「ああ……今、電話、大丈夫か?」


『もちろん! ……で、どうだった?』


「うん、それがな……」



悠希は、今日の出来事を話し出す。




大貫に出会ったこと。


さくらを探し、さまよったこと。


さくらに再会できたこと。





そして……





さくらは、見合いを断っていたこと。


悠希が告白し、2人は付き合いはじめたこと。


さくらの両親に挨拶したこと……を。






『そうか……良かったな……本当に良かった』


「ありがとう。これも、玲司と麻紀ちゃんのおかげだよ」


『別にいいって。後で、焼き肉おごってくれるだけでさ!』


「お前は……」



そう言って、2人は笑い合う。







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