桜の花びら舞う頃に
全てが順調━━━




悠希は、心の中でそう思う。

今ならば、何でも上手くいく気がした。



「さくらちゃん……」



悠希は、さくらの名を呼ぶ。

砂遊びをしていたさくらは、そのままの姿勢で顔だけ上げた。



「もう少ししたら……海の方に行ってみない?」


「海?」


「うん……海岸線を歩きながら……拓海に全てを話そうと思って」


「うん……わかった」



さくらの掌からこぼれた砂は、太陽の光を反射して、キラキラと輝いていた。










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