桜の花びら舞う頃に
拓海の元にたどり着いた悠希に、陸地から歓声が上がる。

そこには、いつの間にか、たくさんの人だかりが出来ていた。


「綾瀬先生……」


立ち尽くしていたさくらの肩を、校長はそっと抱く。


「もう……大丈夫よ」

「はい……」


その優しい言葉に、さくらの顔に笑みが浮かぶ。







しかし……







その笑みは、すぐに凍り付くことになる。








海に浮かぶ2人に迫る







巨大な波を、目撃したから……






「悠希くん!!」






さくらは叫ぶ。



しかし、その声もむなしく、2人は波に飲み込まれ姿を消した。



「そんな……」



さくらは、崩れるように、その場に座り込む。





「いやああああああっっっ!!」





さくらの悲痛の叫びが、辺りに響き渡った。










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