桜の花びら舞う頃に
さくらが去った校長室では、校長が1人たたずんでいた。




「あの子を見ていると、昔の自分を思い出すわ……」




そう言って、クスッと笑う。




「もっとも私の場合は、実ることはなかったけれど……」






私の好きだった人は……

あの海から、帰って来なかったから……






「この先、様々なことがあると思うけど……あなたたちなら大丈夫!」






あの海から、帰って来れたんだから……






「頑張りなさい!」





校長のその言葉は、部屋の中に響き渡るのだった。













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