桜の花びら舞う頃に
そして……







桜がアーチとなって咲き誇る、桜ヶ丘小学校。


その校門に、満開の桜を見つめる姿があった。




「わ~、今年も綺麗だね~!」




無邪気に喜ぶ拓海に、悠希とさくらは微笑んだ。




「あれから月日は流れたけれど……」


「この桜だけは、毎年変わることなく咲き続ける」




ふと視線を落とすと、桜の木の下にスーツ姿の若い女性が立っていた。

女性はつぶやく。




「ここが……あたしが教壇に立つ学校!」




希望に満ちたその声は、風に乗って悠希たちの元に届く。




「新任教師だね」


「昔のあたしを見てるみたい」




思わず、顔を見合わせて微笑んだ。







時は、また繰り返す━━━









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