桜の花びら舞う頃に
「すいませ~ん、フレイム1つ~!」
悠希たちが頼もうとした瞬間、別のテーブルから女性の手が上がった。
「あ、頼まれちゃった」
「いや……これは、ちょっとラッキーだよ」
悠希はさくらに答えた。
「これで、頼まなくてもショーが見られるな」
そう言って、玲司は手が上がったテーブルの方を見る。
頼んだのは、かなり派手な格好をした女性だった。
体のラインが強調された、ヒョウ柄のワンピース。
そこから覗く肌は、こんがり小麦色というには、少し日焼けをしすぎている感がある。
その髪は少し長めで、かなり脱色されていた。
メイクはアイラインを強調し、塗りすぎというくらいマスカラを塗っている。
そして、ピンク色のリップ。
まさにギャルというのが相応しい姿だった。