桜の花びら舞う頃に
第2話『大切なもの』
昇降口で受付を済ませた悠希と拓海。

教室までは係の6年生が案内してくれた。


6年生の女の子に手をつながれて、廊下を歩いていく拓海。

2人の後を、1歩遅れて歩く悠希。

ピカピカのランドセルが、カチャカチャと小気味よい音を立てている。


「こうして見ると……拓海じゃなく、ランドセルが歩いてるみたいだな」


拓海の後ろ姿に、悠希は思わず苦笑していた。




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