桜の花びら舞う頃に
「うわっ!?」



不意をつかれた悠希は、その砂利をまともに浴びてしまった。



「くっ……!」



目を押さえてよろめく悠希。


「ぐふふ、形勢逆転ってやつだな!」


タイガーはそう言って満足げに笑った。

砂利は、先ほど植え込みに突っ込んだ時に手に入れたものだった。


「くそっ! ……お前、本当に漫画の悪役みたいなヤツだな!」


目を押さえながらも悠希は叫ぶ。



「な……バ……バカにするなーっ!!」



怒りのタイガー、渾身の一撃が悠希の頬を襲った。

鈍い音と共に悠希は激しく吹き飛び、地面に転がった。

口の中が熱い。

どうやら、口の中が切れたようだ。

広がる鉄の味と、激しい頬の痛みに、悠希は顔を歪める。


「悠希くん!」


さくらは、悲鳴に近い叫び声を上げた。


「わははははっ!」


タイガーは、高らかに笑い声を上げる。







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