−*初カレ*−
「あぁ、姫華か。じゃあ空き教室に行くぞ。」


『はーい。』


私は素直に宏介に付いて行った。




―ガラッ




「じゃあ、このプリント全部にこのハンコ押してくれ」


『了解でーす。』


姫華は宏介に言われた通りにプリントにハンコを押していった。




宏介は書類にサインしているのか、カリカリとペンの音が聞こえる。






『終わったよ〜』


私はハンコを押し終わったプリントを渡した。


「次はコレ。この5種類をホッチキスでまとめて。」


『分かった〜』


私はまた作業し始めると宏ちゃんは「ちょっと出てくる。」と言って教室を出て行った。




教室にカチャッ…カチャッ…とホッチキスの音が鳴る。




少し経ってから宏介が帰ってきた。




『何処行ってたの〜?』


「タバコ買ってきた。」


『ふ〜ん。』


私は宏介が買ってきたタバコを見つめてからまた作業に取り掛かった。




宏介は椅子に座り、長い足を組むと洒落たライターでタバコに火を付けた。
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